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/│ ヽiiiiiiiiiiiiiiiヽ /│ /.. . .│ !''''、iiiiiiiiiゝ ノ.. . . . レ. . . . . . . / /' ,'iiiiiiiiiiiiiヽ- 、 /. , '´,l'. . .. . . . . . l/'ヘ ̄ヾ _,, `''ナ "")iiii│ ー 、 ,ノ. / /'’. . . . . . . . ⌒冫 │ _..-‐ン \ノ''' '‐ 、,,iiii゙ヽ 、 ゝ /. / / .. . . . . . . . . . . . . 丿 | _,,-r'" . . / ゝ ,, ..ノ_iiiiiヽ \ /ソ /. . . . . . . . .. . . . . . ゙ノ レ‐"」. .. . / ./´ _ \iiiiゝ ! /´, /.. . . . . . . . . . . . . . .丿 ノ_!_,ノ,. ン'’ ゙\丨\ .ノiiiiヽ / 1'' |. .. . . . .. . . . . . . . 丿./ . . . . . . . . ./ ' ⊥iiiiiiiii,,iiiiヽノ │ __,l. . . . . . . . . . _. _. . /_「.._ . _. . . . . .」 ハiiii│ `'''ヘ--. lΓ ̄》.. . . . . 丿 冫/ ̄ ̄ ̄》. . . . rゝ‐''''''''''''''''''''''''''―ー-......_ ∠..⊥/ ./ユー-`ー-. ∥ / . . . . ./_勹’// lユi!l/∥ノli二 =ニ亡゙゙ ..,,_ ^`ー..,, ! "フ !ノ◇//__./ `ヽ /. . . . . f'ヘ''´ ∥_____._彳’_ 〈 ¦ー-..二''''‐ ^゙''ニー--二゙'' ‐-ニ | / .ヘニ/'^l,゛ \ . . /;  ̄ ̄ ,'∫│l卜 ^'' --.. ,, ^゙''ー-ニェ- 、 、 --..〈,,__/, ^ ヽ ヽ/ ヽ- ;__二_ノァJ彳││ ン'彡癶ゎ 、 -...._ ー`ー │. . . \ '、 _..-''´ 丿 丿亅/ / !〈./∩│゙゙宀- 、_ `''ー-.. !. . . . . ` 、 ゝ __,,,,,..........-'"_...ノ / /│1 ! ゙゙‐i..ニ-'_ ヽ..-、 ^''‐ 、 亅. . . . . 丨 亡二---- "ニ..-/ ノ ノ丿│ 1广ニ丨\ ノ ,,..--‐||. . . . . . . ゙_ヽ ヽ‐''''" __..-っニン'''´ ,/ ''./. ゝ│ 1| 1コ│|┌|!´ ./ ,..-‐''゙゙ _......卜. . . . . . . ヽヽ ヽ''''''」'´ ヽ\_./ _..- ノ. . . . ゙''ゝ ,ノ'ー―--/1| ゙ 、 -ン' _...‐'ニ..-_,,..‐'"´ | `\. . . . . . ハ ゙u' ゝ _..- _....‐'´ ..‐'^. . . . . . . . . `‐ノ´ ,ノ'''''上ニ|. . . . \_..-'"ノ彡 ‐ン"" │\ 1. . . . . . ヽヽ 1; -=‐" -´ _..-丿 .. . . . . . . . . . . . . . . \‐´_..‐". . . . . . ン宀´/ | 1 |__,,..__n ァ=l、 ┬彡' ´-;‐l亅/ ./. . . . . . . . . . . . . . . . 1'''ゝ、._. . . ...-''´ _..-‐ 、 _ノ..-レ/''ニニ-一'''''''、 ヘ_ '彳^_|..イ'´ /. . . . . . . . . . . . . . . . . . 」 _../ _..-‐'". . . . . . 冫 ..-''彡‐ニ-‐" __....-‐'ヽ 'l广"゙ン'´ ./. . . . . . . . . . . . . . . ...-'''ン-'''´ _,....-;ノ冫. . . . . . . . . / /ン'彡‐|!_....-‐'''"" _,,..-; う,, ヽ/ ,ノ'ヘ,,... . . . . .. . . . .-''彡-'二..-‐'''゙゙ ,彡''´. . . ゛. 、./_- _,_________,,∠ン-一‐''"^ _,,....-‐;彡-" ヽ \- ノ ̄ ̄ ̄ =-一''゙゙´ │ ┌". . . . .. . . . /..‐" _.. ノ'゛冖ー---------一―''ゞ二-‐''" ._上_ ヽ ,,/ 〈 /. . . . . . . . ... . /‐´ ,,-ノン'´┌────────――――――――――――─―――――────―――――────────────――――――――――――─【ゼロ】≪直感≫直感によって戦闘時や平時において嫌な予感などを感じ取るあらゆる場面において使えるが精度が低い(ペナルティを軽減できる)≪神速≫動く速度が加速スキル効果時間は短い物の速度に置いてはまさしく最速≪常在戦場≫戦闘経験の積み重ねによって得られるスキル不意打ちや待ち伏せなどを察知できる(つまるところ戦闘におけるペナルティを打ち消せる)≪槍術:中級≫その武器をどこまで扱えることをしめすスキル中級ならその分野の応用が使えるようになっている≪拳術:中級≫その武器をどこまで扱えることをしめすスキル中級ならその分野の応用が使えるようになっている≪鞭術:初級≫その武器をどこまで扱えることをしめすスキル初級ならその分野の基礎まで納めている≪トンファー術:初級≫その武器をどこまで扱えることをしめすスキル初級ならその分野の基礎まで納めている≪銃術:中級≫その武器をどこまで扱えることをしめすスキル中級ならその分野の応用が使えるようになっているが何かのきっかけで上級になる≪剣術:超級≫(中級)その武器をどこまで扱えることをしめすスキルが現在武器がゼロの力に持たないことと記憶喪失であることもあり、≪剣術:中級≫状態である→≪抜刀術≫剣術における応用の一つ鞘から剣を抜きつつそのままいてを斬り付ける
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仮面ライダーゼロワン DXブレイキングマンモス&ブレイキングマンモスプログライズキー Amazonで詳細を見る 仮面ライダーゼロワン DXフリージングベアープログライズキー Amazonで詳細を見る
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息子は12人一期構成である。 第一期:学校シリーズ 第二期:学校シリーズ2
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全力でゼロハウス 金髪ツインテールの大門の発信源 ほかは誰か追加してね。
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公式サイト→放浪息子公式サイト 2011年1月 放浪息子 1 [Blu-ray] posted with amazlet at 11.01.29 アニプレックス (2011-04-27) 売り上げランキング 1562 Amazon.co.jp で詳細を見る ブログ #blogsearch2
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「…」「…」 ゾーマの放送が流れている間、バッツもパパスも無言だった。 知った名が流れていないか、それを聞き取るために全神経を集中させる。 ナジミの塔の有る小島。バッツ達は今、そこにいた。 「知っている名はあったかね?」 パパスの問いに、バッツは無言で首を振った。シドという名は知っていたが、恐らくは同名の別人だろう。このゲームには参加していない…はずだ。 バッツは問い返すようにパパスを見たが、パパスはやはり首を横に振った。 その足下では、クーパーとアニーがぐっすりと眠っていた。 …この塔に泳ぎ着いてから丸1時間ほど、彼らは待っていた。塔の騒ぎに乗じて合流を図る者達を。 だが、これまで誰もここに出てきてはいない。味方も、敵も。 時折塔から人が出てきたが、彼らには気づかぬまま行ってしまった。 この島にはもう、バッツ達しかいないはずだ…生きている者は。 「…行きますか?」 バッツはパパスに聞いた。言うまでもなく、『旅の扉をくぐるか?』と言う事だ。 パパスはこっくりと頷いて、言う。 「1時間だけ待とう。やる気のヤツらはさっさと行ってしまうだろうから、その後を狙う。」 「ギリギリまでとどまるかもしれませんよ?」 「ヤツらが狩るのは怯えた者さ。そして、怯えた者は首輪の恐怖から早く扉をくぐりたがる。それを追うのが狩る者だ。」 そこまで言って、パパスは大きくため息を付いた。 「まったく…考え抜かれたモノだ。この首輪は。どんな呪文がかかっているかはしらんが。」 その一言が、バッツの脳裏に引っかかった。呪文…つまりは魔法…。 だが、そのあまりに小さい引っかかりは、バッツの頭からあっさり消失した。 「しかし…またこの湖を泳ぐんですか。20分ぶっ通し泳ぐなんて久しぶりでしたよ。しかも、その二人を背負って。」 そう言って、バッツは笑って見せた。ゲームが始まった頃に比べれば、精神の硬直がいくらか溶け始めている。 パパスも答えてはは、と笑ってみせる。 「備えあれば憂いなし。普段から鍛えておくべきだな。」 その優しげな顔が…バッツの瞳の中で、一人の人物と重なる。ドルガン=クラウザー。 「…パパスさんって…俺の親父に似てるんですよね。」 「…そうか…似ているか。儂にも息子がいるが、君には似ていないな…君のようにまっすぐ育って欲しいとはおもうが。」 「俺みたいな風来坊になっちゃ駄目ですよ。」 和やかな会話。殺し合いの場にはとんと似つかわしくない、平和な会話。 それをうち切ったのは、爆音だった。 「っ!」「始まったか…!」 遠くから轟くような爆音に、バッツとパパスは振り返った。 少し遠く、湖の向こうのアリアハン城で、小さな爆発が幾つか起こった。戦っている。 アレが終われば、大半は旅の扉をくぐってしまうだろう。 「…1時間も待つ必要はなかったようだな。爆発が収まったら城に行こう。」 パパスは呟き、心配そうな顔つきのバッツに微笑んだ。 「君の友人も、この子らの両親も、極端なおびえを持って判断を誤るほど…弱くはあるまい。」 「…はい。」 バッツの腰の鞘の中で、ブレイブブレイドは有るべき輝きを取り戻しつつあった。 【バッツ@魔法剣士(アビリティ:白魔法) 所持品:ブレイブブレイド 第一行動方針:塔へ移動 第二行動方針:レナとファリスを探す 基本行動方針:非好戦的だが、自衛はする 最終行動方針:ゲームを抜ける】 【パパス 所持品:アイスブランド 第一行動方針:塔へ移動 第一行動方針:子供達の両親さがし 基本行動方針:子供達の安全確保 最終行動方針:ゲームを抜ける】 【クーパー 所持品:天空の盾とマンゴーシュ(王女の支給品) 第一行動方針:塔へ移動 第二行動方針:両親さがし】 【アニー 所持品:なし 第一行動方針:塔へ移動 第二行動方針:両親さがし】 【現在位置:ナジミの塔の小島】 (このパーティは、城での戦闘が収まった時点で城へと向かう。) ←PREV INDEX NEXT→ ←PREV バッツ NEXT→ ←PREV クーパー NEXT→ ←PREV アニー NEXT→ ←PREV パパス NEXT→
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CX(番組ch+アニ特合同) 2011/04/01 称号:○浪息子 点呼場所 放浪息子 ★7 http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/liveanime/1301587370/796 点呼参加者ID 合計80ID 01.ID uzARenDy 02.ID TBEsjj4V 03.ID BujUhP1u 04.ID 7QMvn5XS 05.ID gBdidh3J 06.ID qqhLGXD4 07.ID My8bxpUs 08.ID 3cbrk9iV 09.ID wBdywQoG 10.ID BtocVMK1 11.ID gesS/Csc 12.ID 0J5acILI 13.ID GzQevxXF 14.ID 9YrS/gf8 15.ID XUGKCcTk 16.ID yvI3JBdS 17.ID InTzSEhv 18.ID FA1rwvWa 19.ID veWF3Fj3 20.ID 3e84rkIe 21.ID odUr0Y0C 22.ID 3hIovfYk 23.ID Mf2Q17kE 24.ID wR93+46i 25.ID uv9LOpbz 26.ID IFNJVUWS 27.ID Q44HsTrH 28.ID IY72c7Pr 29.ID oePtyP2K 30.ID /tXRSmmq 31.ID qqT9p7l3 32.ID D1G5KMTt 33.ID oI9yTKXm 34.ID EDmqJwcC 35.ID oHufta4h 36.ID sepQvgk4 37.ID 5HqnsDtl 38.ID G5pefQEy 39.ID d4a6v9/7 40.ID wjTW3beR 41.ID yR7t6Bc1 42.ID EdY+4tRn 43.ID 7UbdMAlF 44.ID 10Py/uRK 45.ID SFOXLLB+ 46.ID dCmo63uf 47.ID +2JSmAvC 48.ID Hc7Sx1FX 49.ID D0p1YuvE 50.ID tx7fNNNs 51.ID UqVmdmxP 52.ID 61fuWVrP 53.ID 3MvlHDbR 54.ID /lOz1mjp 55.ID Fvyt1p6O 56.ID ge5QZG9n 57.ID LwVCLpc6 58.ID v3r0mVw7 59.ID H+BNTR/h 60.ID tns0yJfm 61.ID A5PjULC0 62.ID BUVRaUg2 63.ID SHZY0tG+ 64.ID OsmEuwxt 65.ID 4ZTsWJ/d 66.ID 8fwJgfbX 67.ID j86sgp4c 68.ID xN4lfiAY 69.ID dH/yjM8i 70.ID IfIEXosL 71.ID q12vgPAu 72.ID 57nAjpj8 73.ID 5K7xZ6BQ 74.ID 5i6HhVT3 75.ID b4UuAqSg 76.ID Fn2gqyFz 77.ID IElvWAq6 78.ID iWw2M60C 79.ID nXDgpVzR 80.ID ktTG7Jqc
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息子 ◆6lu8FNGFaw氏 零、涯、沢田の三人は、崖沿いの傾斜を下っていた。 二人の少年は、ただ黙々と沢田の後をついて歩いている。 先程の言い争いの余韻、心中にわだかまりを残したまま、目線を合わせられずにいた。 沢田は時々後ろを振り返り、ぎこちない二人を見て思わず苦笑した。 (互いに頑固者だからな…だが、二人とももう分かっているはずなんだ…! しぶしぶ折れて妥協するのではなく、互いの主張を認め、尊重することができるっていうことを…。) 零が先ほど出した提案は、沢田にとっては目から鱗の妙案であった。 零を諌めながらも、あの情報量で、短時間で、あれほど頭が回る零という少年に感服していた。 具体的に『対主催としての行動』を取る段になったとき、零の出した提案は、 田中沙織だけでなく他の参加者に対しても有効なのである。 1000万のチップをまだ使っていない参加者は、5時間ギャンブルルームに留まれる。 非力な者や、戦うのに不向きな参加者にこのことを伝え、 チップを限界まで使ってギャンブルルーム内に逃げ込んでもらう…。 ギャンブルルームを集合場所にしたり、避難所として使う…。 その5時間の間に、『対主催者』グループは、主催に対して勝負を挑む…! …と、いうプランも想定することができる。 (…ま、どうやって『挑む』か、俺にはまだ全く考え付かないんだがな…。 それに…これはまだもう少し先の話…!体制を整えてから…!) 沢田は赤松の亡骸を背負って歩きながら、赤松の言葉を反芻していた。 『ホテルでゲームの説明を受けた時、こんな予感があったんです…。 “自分はおそらくここを生きては出られないだろう”と…』 (俺も全く同じことを感じていた…。 そして、どうせならばこのゲームを潰してから死んでやろう、と。) 『涯君と零君を…頼みましたよ…』 赤松は最期にそう告げて逝った。 (――託されちゃあ、簡単に死ぬわけにはいかねえな…。 せめて、ゲームの終盤まで…! 二人の安全が確保されるまでは…なんとしても生き延びなければ…!) ◆ 零は、黙り込んだまま、沢田の言った言葉を繰り返し反芻していた。 『物事に一番大切なのはなんだろうな? 素晴らしい妙案も、タイミングを間違えれば無駄になる。 仲間の同意が得られないなら尚更だろうよ。 一番やらなきゃならないことを差し置いてでも実行するべきなのか?』 (分かってる…分かってるんだ…!涯の同意が得られなければ駄目っ…!仲間なんだから…! だが…こうしている間にも、事態は悪化する…。 田中沙織が人を襲う…手をますます血で紅く染めてしまうっ…!) 田中を追う………それが零の導き出した『最善』。 『最善』という結論に辿り着いているにも拘らず、動けないでいることがもどかしかった。 同時に、涯の心境だって分からない訳ではなかった。 『涯が標を殺したのではないか?』という誤解をしてしまった時、涯に対して一時期にでも持った感情。 怒り。憎悪。腹の内に渦書くどす黒い感情。 今の涯は、田中沙織に対してそのような思いを抱いているはずなのだから。 (そうだ…。あの時の俺の感情を思い出して見ると、二重に涯には申し訳ないことをしたんだ…。 涯の気持ちに気づかず、先走って自分の主張をしてしまった…! だが…。それと、田中沙織を追うべきであるということは別問題…!だがっ…) 沢田はこうも言った。 『今のお前の調子じゃ、涯を説得することは無理だって話だ。 いいか、赤松の死を無駄にするわけにはいかないんだ』 (俺たちを危険な目に合わせるわけにはいかない、という沢田さんの配慮…無碍にする訳にはいかない…!) 田中沙織の持つボウガン…。 いくらボウガンという武器が、隙のできやすい武器とはいえ、危険であることに変わりはない。 また、ボウガンの矢に対抗できるような飛び道具がある訳でもない。 …何よりも、説得を試みた赤松が、沙織にボウガンで撃たれているのだ。その事実は無視できない。 零がボウガンの矢面に立つということは、同時に涯や沢田にも同じ状況を強いるということである。 (…冷静になって考えてみると…俺はずいぶん無茶な事を提案していたんだな……) 沙織を死なせたくないし、犠牲者を増やしたくない。 だがそれ以上に、涯や沢田を失いたくない。 沢田の言うとおり、策を練り直す必要があるのだ。 その前に…。涯に言っておかなければいけないことがある…! 零は、涯に向かって口を開いた。 ◆ 涯は、己の感情をどう処理していいか分からず混乱していた。 赤松に殺されかけ、憎み、追いかけてきた赤松を疎ましく思い、全力で庇ってくれた赤松に戸惑い、 沙織に情けをかける赤松に尊敬の念を抱き、誤解が解けたところで…殺された。 この数時間で、内なる激情に翻弄され、半ば放心状態…。 思い返せば、今まで涯が出会った人間の中であれ程の人格者はいなかった。 もっと…話をしてみたかった。 その赤松が平静を失うほど、標の死は赤松にとってショッキングなものであったのだ。 …例えばもし、零や沢田が誰かに殺されたら、俺はその誰かに対して、あんな風になるかも知れない。 赤松の心情…今ならはっきりと想像出来る。 (あの人でさえそうなんだ…。………田中沙織も………………。 いや、駄目だっ…! どうしたって…あの女だけは…許せない…! 零のようには考えられないっ………!) 涯の理念…『人は一人一人』『孤立せよ』。 田中沙織は己の優勝のみに目標を絞った。故に孤立している。 (だが、それは己に拠って立っている訳じゃないっ…!主催に踊らされているだけ…! 踊らされていることに気がつかないのが…恐怖に流される弱さが…。 俺には…許せないんだっ…!) ………それでも、赤松は。零は。そんな彼女を案じていた。 涯にはない冷静さで、物事を見つめていた。 (……俺には無理だっ…!) 涯は唇を噛み締める。 (俺は…狭いっ…心が…! だが…!) 涯はもう一度田中沙織について思いを巡らす。 田中沙織に対する感情…。沙織のことが許せないのは、赤松を殺されたから…だけではないことに気づく。 (……あの時、似ていると思ったのだ…) 沙織と戦ったとき、沙織は『すでに一人殺している』と涯に告げた。 その時、直感的に悟った。 沙織もまた、人を殺したという事実を受け止めるのが辛く、激しい葛藤があったはずで…。 しかし、葛藤があるからこそ『人間』なのだ。…ということを。 (同族嫌悪…! もう一人の俺っ…!) 涯も、一人殺した後は優勝狙いで動いていたのだ。…割り切ることが出来ず、葛藤を抱えながら。 赤松や、零、沢田に出会っていなければ…。ちょっとした運命の歯車の違いで、俺も…。 田中沙織は、“なっていたかも知れないもう一人の自分”なのだ。 背筋が凍るような思いだった。 ………沙織を止めなければ…。 ようやく、涯はそこまで考えを突き詰めることができた。 だが、だからといって割り切れるものでもない。今すぐ助けに行こう、なんて気には到底なれない。 零に説明しておかなければ…!俺の思いを…! 涯は、零に向かって口を開いた。 ◆ 「「なあ…」」 二人は同時に互いの方へ振り向き、驚いて目を見開いた。 「あ…どうぞ」 「………………」 零に促されたが、涯はすぐに言葉が出てこないらしく、口を開いたまま困り果てた顔をした。 それを見て取った零が再び口を開いた。 「…先にいいかな?」 「ああ…」 「………ごめん…!」 「……………は?」 急に零に頭を下げられ、涯は面食らった。 「…その…俺…自分の主張ばかりで…涯の心情を全く考えてなかった…! 振り返ってみれば…俺、それで君を怒らせてばっかりだ…。ごめんっ…!」 「いや…………違う…!」 「え…?」 「元を正せば…俺に大局が見えていなかったせい…! 俺の視野の狭さのせいだっ…!」 「…………」 「だから…謝るな…!」 零はぽかんと口を開けていたが、じきにホッとした表情になった。 「いや…、謝らせてくれ。俺の説明が悪かったし…理屈に走って、 感情にまで気を回せなかったんだ…。気の利かない奴で、俺…だから…」 「田中沙織のことは、何とかすべきだと思う…」 涯は単刀直入に言った。 「俺も…、ああなってたかも知れないんだっ…。だから………! だが………今は………」 零は、その言葉だけで察し、頷いた。 「わかった。俺も、もう一度時間をかけて考えてみようと思ってたんだ。 ありがとう…」 涯は零の笑顔を見て、複雑な顔をした。 (誰が“気の利かない奴”なんだよ…) 「仲直りしたか?」 沢田が後ろを振り向き、二人に問いかけた。 「ええ…」「……」 二人が頷くと、沢田は笑いかけ、背中の赤松に語りかけるように言った。 「そうさ…そうでなきゃ、赤松も安心して眠れねぇよ。なあ…?」 不意に、零の目から涙が零れ落ちた。 「…うっ…!」 涙は堰を切ったように溢れ出した。 零は堪らずその場に立ち尽くし、俯いて嗚咽を漏らした。 「…っ…ううっ…!」 涯は、それを呆然と見ていた。 零は恐ろしく頭の切れるところがあり、赤松の死の直後にあのような提案を思いつく所など、 どこか他人に対する感情が欠落しているんじゃないか、などと思うことがあった。 ……………今まで必死に抑えていたのだ。 赤松の死と…、標の死。 それはすぐに受け止めることができないほど大きな悲しみであった。 「………………」 沢田は立ち止まり、黙ったままじっと待っていた。 「………落ち着いたか?」 「はい…すいません」 零は涙を拭いながら返事をし、涯は険しい表情のまま小さく頷いた。 「よし…じゃあ、行こう」 沢田は赤松の亡骸を背負い直した。 自分自身、この赤松という男に『侠』を見、共感しただけに、 心中に穴が開いたような虚しさを感じていた。 だが、赤松に二人を託されたという使命感が、今の沢田に力を与えていた。 「赤松さんの体…。静かな場所に弔ってあげたいですね…。」 零がぼそりと言った。 「そうだな…」 ゆっくりと歩きながら、沢田は返事をした。 涯は歩きながら、崖の向こうに見える建物を睨み付けていた。 ――それは、この悪夢の始まった場所。D-4禁止エリアのホテル。 ここで棄権申請をしろ、と言ったにも拘らず、禁止エリアにすることであっさりと状況を覆してきた主催者。 (そのために田中沙織は絶望し、赤松を死に追いやった…。 田中沙織をそのように追い込んだのは…このゲームの主催者…!) E-3の中央辺りまで来ると道はなだらかになり、坂道も終わりが見えた。 涯は再び背後を振り返った。ホテルは、暗闇の中で光もつけず、薄気味悪く聳え立っていた。 しばらく歩いて行くと、木々の間から大通りが見えた。 ぽつんと小さい木造の民家が姿を現す。 「着いた…。」 沢田が一言漏らすと、零と涯は「?」と疑問符を表情に出して沢田を見る。 「この家は、俺が昼間に見つけて、少しの間居座っていたんだ。 中に入る前に、アンタらに告げておくべきことがある」 沢田は二人の方を振り返り、また口を開いた。 「俺はここで一人殺している…。今もまだ死体が玄関先に転がっているはずだ」 零の顔に驚きの表情はない。第一放送直前、沢田からあらかじめ聞いていたことだからだ。 そして、漠然と歩いていたのではなく、沢田がまっすぐここを目指して歩いていたのだと気がつき、 一人納得して頷いた。 涯を見ると、張り詰めた顔でじっと沢田を見ている。 沢田は怒りとも悲しみともつかないような表情のまま、口の端を持ち上げて笑って見せた。 「…返り討ちにしてやったんだ。毒のついたナイフを持っていたのが幸いだった。 互いに『死』を覚悟しての戦いなら、不意打ちだろうと、武器に頼ろうと、同じ土俵での戦い…。 恨みっこなしさ。そうだろ…?」 普段の沢田なら、こんな言い訳じみたことは言わない。 だが、今は特別な事情があった。どうしても涯に話しておきたかったのだ。 涯はじっと己の右腕を見た。 返り血が乾ききって指や腕にこびりついたままになっている。 人を殺した。 その罪悪感が消えることはない。 だが、ここに同じ痛みを知っている者がいる。その者は、痛みをありのまま受け止めている。 人知れず黙って内に秘めているだけでは、どうにも解れなかった重苦しい黒い塊が、 胸のうちで少しずつ解れていくのを、涯は感じていた。 他人に共感する。 今までは己の『弱さ』だと思い込み、忌み嫌っていた感情。 (だが…そうじゃない…。この暖かさ、強さは…。) 今の涯は、その感情を受け入れることが出来るようになっていた。 「…弔うつもりで戻って来たんですね…?」 零が沢田に聞くと、沢田は曖昧な笑みを浮かべた。 「元々、休む場所を探そうと考えていてここを思い出した、ってのが本音だがな。 手伝ってくれるか…? 零、涯」 二人は頷いた。 民家から大槻の死体を運び出し、家の裏手に三人で穴を掘った。 シャベルになりそうなものは見当たらなかったので、細長い板を見つけてきて掘り返した。 やがて、二人分の穴ができると、それぞれの穴に死体を横たえ、また土をかけた。 「何か墓標になりそうな物はないかな…?」 沢田は周囲を見回した。 「いや…沢田さん、このままのほうがいいです」 零は、額の汗を拭いながら沢田に言った。 「墓だって分からない様にしておいたほうがいい…。墓荒らしに荒らされないように…」 「何だって…?」 「死体の首輪を狙って、掘り返す不届き者がいるかもしれない…!」 沢田は一瞬呆気に取られたが、零の言わんとすることに思いが至り、ああ、と声を漏らした。 首輪なんか狙ってどうするのかと思ったが、死体から首輪を剥ぎ取り、 その首輪で実験しようとする参加者がいてもおかしくはない。 内部構造はどうなっているのか、どのような状態で爆発するようになっているのか…。 しかし、その行為自体は、首輪から逃れるための試行錯誤であり、生き延びるための必要悪である。 「…エゴだと分かっているんです。けど…。ここの墓は荒らされたくない…。」 赤松の死体を埋めた辺りを見つめながら、零は言った。 三人は民家の中に入り、ひっくり返っていたちゃぶ台を元に戻した。 涯は、沢田が探してきたタオルを濡らして顔や腕を拭き、体についた血や泥を落とした。 沢田は、涯の体中の傷を支給品の水で洗い流し、腹の傷を調べた。 「応急処置としちゃ不十分だろう…。傷の手当てが出来る場所を探さないとな…」 涯の胴にきつめにタオルを巻きながら、沢田は言った。 支給品で簡単に食事をしてから、三人が今持っている支給品の確認に入った。 涯が預かっていた赤松のデイバックを空ける。 中には通常支給品、手榴弾8個、そして、首輪が出てきた。 「これは…。まさか…」 あの赤松が…死体から…? と、疑問に感じた涯だったが、零が否定した。 「いや…。標のメモに記してある。『村岡、死体から首輪、赤松さんに渡す。目的は仲間になること』 この村岡という人間が、標と赤松さんに首輪を渡したらしい」 首輪をよく見ると、死体から無理やり剥ぎ取ったのだろう、ところどころ血が輪の内側に付着している。 輪の部分は鎖帷子のように金属の網になっており、破ったり千切ったりなどできないようになっている。 繋ぎ目の金具が、石か何かの鋭利な硬いもので引っ掻かれ、叩き壊されて凹んでいる。 よく首輪が爆発しなかったものだ。 首の骨が折れるのを覚悟で、首の後ろ側の金具を叩き壊せば…。 首輪の前部分の装置に大きな衝撃を与えないよう気をつけて、 繋ぎ目の噛み合っている金属がひしゃげる位に金具を叩き潰せば、 力技ではあるが、首輪が外れる、ということだ。 ただし、ひしゃげるのは首輪だけじゃないわけで…。 ……生きている人間の首輪には応用できない方法である。 涯は首輪を念入りに調べた。ところどころ螺子の穴らしきものがあるが、螺子は無くなっている。 繋ぎ目の金具を丹念に調べてみたが、特殊かつ複雑な構造で、素人には分析しきれない。 まるで知恵の輪のようだ。 零は先程から熱心に標のメモを読み込んでいる。 このゲームが始まってから標が見たこと、聞いたことが小さな文字でびっしりと書かれているらしい。 涯は首輪に目を戻したが、食事をした後ということもあって急に眠気が襲ってきた。 眠気を振り切るように首を振る。自覚すると急に体が重く感じる。 「二人とも、今日はもう休め。俺が見張りをする」 沢田が涯と零に声をかける。 「でも…」 零が言いかけるのを遮り、沢田は続けた。 「いいか…これからは体力勝負になる。疲労が溜まると、緊急時に正常な判断が出来なくなる。 だから今はできるだけ体を休めたほうがいい…。夜の間は俺が見張りをする。 明け方になったら起こすから、交代してくれ。昼まで休息をとらせてもらう。」 零は頷いた。 「それなら…わかりました。では、次の放送がもうすぐなので、それを聞いてからにしましょう。 で、次の6時間後の放送までに起こしてください」 「分かった」 沢田は、再びメモに目を落とした零と、今にもちゃぶ台に突っ伏しそうな涯を交互に見た。 零と涯を必ず守る。赤松に託された二人の『息子』を…。 (息子か…) 実の子供や妻は昔に出て行ったっきり、今どうしているのかも知らない。 (俺は…。罪滅ぼしをしたいのかも知れねえな…。) 沢田はふっと息をついた。ちゃぶ台に乗せた腕の時計をちらりと見る。 (そういえば、もう次の放送か…。) 【E-3/民家/真夜中】 【工藤涯】 [状態]:健康 右腕と腹部に刺し傷 左頬、手、他に掠り傷 両腕に打撲、右手の平にやや深い擦り傷 (傷は全て応急処置済み) [道具]:鉄バット 野球グローブ(ナイフによる穴あり) 野球ボール 手榴弾×8 石原の首輪 支給品一式×3 [所持金]:1000万円 [思考]:零と共に対主催として戦う 首輪の構造を調べる 眠い ※石原の首輪は死亡情報を送信しましたが、機能は停止していません。 【宇海零】 [状態]:健康 顔面、後頭部に打撲の軽症 両手に擦り傷 [道具]:麻雀牌1セット 針金5本 標のメモ帳 不明支給品 0~1 支給品一式 [所持金]:0円 [思考]:対主催者の立場をとる人物を探す 涯と共に対主催として戦う 標のメモを分析する 休息をとる ※標のメモ帳にはゲーム開始時、ホールで標の名前が呼ばれるまでの間に外へ出て行った者の容姿から、 どこに何があるのかという場所の特徴、ゲーム中、出会った人間の思考、D-1灯台のこと、 利根川からカイジへの伝言を託ったことなど、標が市川と合流する直前までの情報が詳細に記載されております。 【沢田】 [状態]:健康 [道具]:毒を仕込んだダガーナイフ ※毒はあと一回程度しかもちません 高圧電流機能付き警棒 不明支給品0~4(確認済み) 支給品一式×2 [所持金]:2000万円 [思考]:対主催者の立場をとる人物を探す 主催者に対して激しい怒り 赤松の意志を受け継ぐ 零と涯を守る 見張りをする 093 信頼 投下順 095 見切り 110 老人と若者 時系列順 095 見切り 093 信頼 工藤涯 116 夢幻 093 信頼 宇海零 116 夢幻 093 信頼 沢田 116 夢幻
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■ ゼロの変態 ├ ゼロの変態-1 ├ ゼロの変態-2 ├ 第二話 使い魔暗殺者(ヒットマン)メローネ! ├ 第三話 シエスタ ├ 第四話 余の仇名はゼロ ├ 第五話 二股貴族物語 ├ 第六話 フルボッコ・ギーシュ・シティ① ├ 第七話 フルボッコ・ギーシュ・シティ② ├ 第八話 コードギーシュ~反逆の富竹~ ├ 第九話 ジャイアントモール~ギーシュが燃え尽きる日~ └ 最終話 ホワッツ・ア・ワンダフル・ヘンタイ ■ 新ゼロの変態 ├ 第一話 帰ってきた変態 ├ 第二話 カオスは大変なものを残して行きました ├ 番外 惑いて来たれ、地味な神隠し ├ 第三話 チャームポイントは泣きボクロ ├ 第4話 ディノクライシス ├ 間奏曲(インタールード) ├ 第五話 ついてない男 ├ 第六話 テニヌの皇帝 └ 最終幕(フィナーレ) ■ ゼロの変態マキシマム └ 第一訓 ちらっと目に入った物の方が印象に残る
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